「ソングラインを旅する」 Powered By ETC [ 英会話プライベートレッスン ]

 

ブルース・チャトウィンふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。

彼らがどう死んでいったのかというエピソードは、彼らがどう生きていたのかという興味に変わり、彼らが愛した場所を訪ね、彼らが旅をした風景を見て、彼らの息遣いに自分自身の呼吸を重ね合わせ、彼らの心を感じてみたくなるのです。この世に遺して行っていった彼らの想いがそうさせているのかもしれない、とさえ思うことがあります。

そして、僕は今ブルース・チャトウインという人に出会ってしまったのです。

僕は彼の遺作である『Songlines』を、原書(翻訳本は絶版)で読んでいくことにしました。 日本語訳をサポートしてくれるのは、ETCが紹介してくれたヘルナンデス先生。

他界する二年前に、ブルースが旅したオーストラリア。彼が『Songlines』に書き残してくれた足跡を、僕が辿って行く。 その過程をここに書き溜めて行きます。

 

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2006年10月01日

ハイレ・セラシエを思い浮かべながら

チャットウインの文章をじっくりと読むと、彼が登場人物に好意を寄せてい
るのか、それとも嫌悪を感じているのかがわかってきます。

その人に対して、心から共鳴しているのか、それとも強い反感を持っている
のか、必ずそのどちらかで、どちらでもないという人はいないようです。
もちろん、「好き」とか「嫌い」とか、直接的な言葉は使われていませんが、
彼のさりげなくでも丁寧な描写を読み進めるうちに、いつの間にかぼくも
チャットウインの「好み」に共感してしまっているようです。

ミドル・ボア駅に向かう途中、アルカディは、アボリジニの居住区にアラン
を探しに行きます。どうしても彼をこの旅に連れて行きたいようです。
アランはキャンプ地の奥から、ゆっくりと現れます。

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'Reminds me of Haile Selassie,' I said as we walked away.

 「ハイレ・セラシエを思い出すよ」、歩きながら、僕はそういった。

                  『ソングライン』(96ページ)
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僕はハイレ・セラシエという人を全く知りませんでした。早速、ウイキペディ
アで調べてみました。

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ハイレ・セラシエ(Haile Selassie, 1892年7月23日 - 1975年8月27日)エチ
オピア最後の皇帝。

1916年のクーデターで実権を握り1930年即位。1936年~1941年、エチオピア
がイタリアに占領されていた期間は英国に亡命。1974年に陸軍のクーデター
で逮捕・廃位され、拘禁中の1975年に死去。

1916年ジャマイカの牧師マーカス・ガーヴィーが「黒人の王が即位する時の
アフリカを見よ。その人こそ救世主となるだろう」と予言したため、その14
年後に即位したハイレ・セラシエは中南米の黒人たちから自分たちをアフリ
カに帰してくれる救世主として崇められるようになった。ハイレ・セラシエ
は即位前の名をラス・タファリ・マッコウネンといい、この名前をとって崇
拝者たちのことをラスタファリアンと呼ぶ。

ハイレ・セラシエ1世はジャマイカを中心とする黒人運動、ラスタファリズム
において、神(ジャー)の化身であり、地上における三位一体の一部である
と信じられている。

                      ウイキペディアより抜粋
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ブルースが、アランからハイレ・セラシエを連想したのは、単に褐色の肌、
針金のように硬い白髪交じり髭という外見からだけでなく、アランからも神
の化身のようなオーラを感じていたのではないでしょうか。

そう思って読んでみると、ブルースと同様にこのアランという人を知りたく
なってきました。

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'Reminds me of Haile Selassie,' I said as we walked away.
'But grander.'
'Much grander,' I agreed. 'He will come, won't he?"

 「ハイレ・セラシエを思い出すよ」、歩きながら、僕はそういった。
 「いや、それよりもっと威厳があるよ」
 「その通りだね」、僕は同意した。「彼も一緒に来るんだろう?」

                  『ソングライン』(96ページ)
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一緒に旅をすることになったアラン。ハイレ・セラシエのこの写真を思い浮
かべながら読み進めることにしました。

Links

SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。