ハイレ・セラシエを思い浮かべながら
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チャットウインの文章をじっくりと読むと、彼が登場人物に好意を寄せてい
るのか、それとも嫌悪を感じているのかがわかってきます。
その人に対して、心から共鳴しているのか、それとも強い反感を持っている
のか、必ずそのどちらかで、どちらでもないという人はいないようです。
もちろん、「好き」とか「嫌い」とか、直接的な言葉は使われていませんが、
彼のさりげなくでも丁寧な描写を読み進めるうちに、いつの間にかぼくも
チャットウインの「好み」に共感してしまっているようです。
ミドル・ボア駅に向かう途中、アルカディは、アボリジニの居住区にアラン
を探しに行きます。どうしても彼をこの旅に連れて行きたいようです。
アランはキャンプ地の奥から、ゆっくりと現れます。
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'Reminds me of Haile Selassie,' I said as we walked away.
「ハイレ・セラシエを思い出すよ」、歩きながら、僕はそういった。
『ソングライン』(96ページ)
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僕はハイレ・セラシエという人を全く知りませんでした。早速、ウイキペディ
アで調べてみました。
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ハイレ・セラシエ(Haile Selassie, 1892年7月23日 - 1975年8月27日)エチ
オピア最後の皇帝。
1916年のクーデターで実権を握り1930年即位。1936年~1941年、エチオピア
がイタリアに占領されていた期間は英国に亡命。1974年に陸軍のクーデター
で逮捕・廃位され、拘禁中の1975年に死去。
1916年ジャマイカの牧師マーカス・ガーヴィーが「黒人の王が即位する時の
アフリカを見よ。その人こそ救世主となるだろう」と予言したため、その14
年後に即位したハイレ・セラシエは中南米の黒人たちから自分たちをアフリ
カに帰してくれる救世主として崇められるようになった。ハイレ・セラシエ
は即位前の名をラス・タファリ・マッコウネンといい、この名前をとって崇
拝者たちのことをラスタファリアンと呼ぶ。
ハイレ・セラシエ1世はジャマイカを中心とする黒人運動、ラスタファリズム
において、神(ジャー)の化身であり、地上における三位一体の一部である
と信じられている。
ウイキペディアより抜粋
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ブルースが、アランからハイレ・セラシエを連想したのは、単に褐色の肌、
針金のように硬い白髪交じり髭という外見からだけでなく、アランからも神
の化身のようなオーラを感じていたのではないでしょうか。
そう思って読んでみると、ブルースと同様にこのアランという人を知りたく
なってきました。
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'Reminds me of Haile Selassie,' I said as we walked away.
'But grander.'
'Much grander,' I agreed. 'He will come, won't he?"
「ハイレ・セラシエを思い出すよ」、歩きながら、僕はそういった。
「いや、それよりもっと威厳があるよ」
「その通りだね」、僕は同意した。「彼も一緒に来るんだろう?」
『ソングライン』(96ページ)
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一緒に旅をすることになったアラン。ハイレ・セラシエのこの写真を思い浮
かべながら読み進めることにしました。
ふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。
