「ソングラインを旅する」 Powered By ETC [ 英会話プライベートレッスン ]

 

ブルース・チャトウィンふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。

彼らがどう死んでいったのかというエピソードは、彼らがどう生きていたのかという興味に変わり、彼らが愛した場所を訪ね、彼らが旅をした風景を見て、彼らの息遣いに自分自身の呼吸を重ね合わせ、彼らの心を感じてみたくなるのです。この世に遺して行っていった彼らの想いがそうさせているのかもしれない、とさえ思うことがあります。

そして、僕は今ブルース・チャトウインという人に出会ってしまったのです。

僕は彼の遺作である『Songlines』を、原書(翻訳本は絶版)で読んでいくことにしました。 日本語訳をサポートしてくれるのは、ETCが紹介してくれたヘルナンデス先生。

他界する二年前に、ブルースが旅したオーストラリア。彼が『Songlines』に書き残してくれた足跡を、僕が辿って行く。 その過程をここに書き溜めて行きます。

 

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2006年09月26日

パイン・ギャップ基地

パイン・ギャップ基地

ブルースがソングラインを巡る旅に出る朝になりました。

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Since the motel did not serve breakfast till eight, I went for a run
to the GAP.

 モーテルの朝食は、8時にならないと始まらないので、
 僕はギャップまで走ることにした。

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さて、この”ギャップ”が何を指しているか、ずっとひっかかっていました。米国
のカジュアルウェア店の"GAP"ではないことだけは確かですが。どうしても気
になったので、10数ページほど戻ってやっとわかりました。"Pine Gap"のこ
とでした。


■Pine Gap(パイン・ギャップ基地)

アリススプリングのそばにある衛星基地。
オーストラリアと米国により管理されている。世界最大の通信傍受ネットワー
ク「エシュロン」の基地のひとつであるとも言われている。その活動のほと
んどはなぞに包まれている一方、重要な軍事行動をつかさどる衛星基地とし
ての役割を果たしていると理解されている。(参考:Wikipedia

また、イラク戦争の際には、戦地の兵士に対して、ミサイル発射や爆弾投下
などの命令など情報がこの基地から転送することも可能。また、イラクおよ
びその近隣諸国からのスカッドミサイルの発射も探知することができるとの
こと。(参考:The Sydney Morning Herald.)


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フリンの声は、頭の直ぐ上を飛んでいったジェット機の騒音でかき消されて
しまった。

 「アメリカ人…」

マリアンは、苦々しい表情でそういった。

 「彼らは、夜にしか飛んでこないのね。」

アメリカ人は、マックドウネルズのパイン・ギャップに通信傍受基地を持っ
ている。アリス・スプリングに飛んでくる途中で、巨大な白い球体とその基
地郡を見る事ができるだろう。

パイン・ギャップは何のためにあるのか、一体そこで何が行われているの
か、オーストラリアでは誰一人、この国の首相でさえも知らないだろう。

 「ああ、いやだわ。不吉な予感がする。」マリアンは身体を振るわせた。

 「アメリカ人にこの国から、本当にに出て行って欲しいの。」

                        『Songlines』(61ページ)
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SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。