「ソングラインを旅する」 Powered By ETC [ 英会話プライベートレッスン ]

 

ブルース・チャトウィンふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。

彼らがどう死んでいったのかというエピソードは、彼らがどう生きていたのかという興味に変わり、彼らが愛した場所を訪ね、彼らが旅をした風景を見て、彼らの息遣いに自分自身の呼吸を重ね合わせ、彼らの心を感じてみたくなるのです。この世に遺して行っていった彼らの想いがそうさせているのかもしれない、とさえ思うことがあります。

そして、僕は今ブルース・チャトウインという人に出会ってしまったのです。

僕は彼の遺作である『Songlines』を、原書(翻訳本は絶版)で読んでいくことにしました。 日本語訳をサポートしてくれるのは、ETCが紹介してくれたヘルナンデス先生。

他界する二年前に、ブルースが旅したオーストラリア。彼が『Songlines』に書き残してくれた足跡を、僕が辿って行く。 その過程をここに書き溜めて行きます。

 

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2006年09月27日

不思議な偶然/マラリンガの核実験

1927年9月27日マラリンガの核実験


鉄道建設のために切り取られた小さな丘。

アルカディは、かつてその土地に住んでいたアランダの一族とその地を訪れ
ます。

すると彼らは、嘆き悲しみ、その目は恐怖であふれます。

 「黒人は死ぬ。白人も死ぬ。みんな死ぬ。
  オーストラリアの終りだ、世界の終りだ。全てが終りだ」

アルカディは、その丘に伝わる歌、創世神話について訪ねます。

 「幼虫の威力だ」(長老)

その丘に伝わる歌は、創世の時代、ハエの育成の循環を制御するための儀式
を正しく行うことができなかったの先人の物語を伝えていました。際限なく
増殖したハエの幼虫は、やがてこの地を覆い尽くし、植物の生息を不可能に
してしまいました。

先人は幼虫を集め、尖った岩の下に詰め込みました。以来、幼虫は地下で生
息し続けているというのです。

 「もし、この丘を切り取ったら、巨大な爆発が起こるだろう。
  ハエの大群による巨大な雲が立ち上がり、地球全体を覆い、
  その毒により全ての人間と動物を殺すことになるだろう。」


この話しを聞いて、ブルースは1950年代にマラリンガで数回にわたって英国
が核実験を行ったことを思い出します。


実験の前、軍隊はアボリジニのために「立ち入り禁止」という英語の看板を
貼りだします。全ての人がそれを見ることはできなかったし、そもそも英語
を理解することができませんでした。核実験は遂行されました。

 「何人死んだんだ?」(ブルース)

 「誰も知らない。あの核実感が全てをだめにした。」(アルカディ)


アボリジニが多数被爆し、また英政府は彼らの兵士を放射線防護服の性能を
調べる目的で、被ばくした実験施設を歩かせていた等の事実もあったそうで
す。


ここまで書いて、不思議な偶然に気づき驚いています。

50年前の今日(9月27日)、マラリンガに12.9トンのプルトニウム爆弾が爆破
最初の核実験が実施されていたのでした。

British Nuclear Testing

Maralinga - NEVER AGAIN

Links

SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。