帰り道
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ヘルナンデス先生の自宅は、表参道から一本入ったところ。
レッスンの後は、キャットストリートをぶらぶら歩いて渋谷駅から帰宅。
平日の夕方、原宿は込んでもなく、閑散としているわけでもなく。
週一回、ぼくの心地よい散歩の時間です。
途中で、ビルの工事現場に遭遇。
どうしてだろう。
錆びたように見える鉄骨の色、オレンジ色のクレーン車がとても懐かしく思
えたのです。
写真を、もう一度よく見て気がつきました。
僕が、懐かしいと感じていたのは、青い空の中に聳え立つ鉄筋たちが反射
していた、西から射す夕方の太陽の色でした。
まだ、子供だった頃、僕はこんなふうにして、夕日でオレンジ色がかった、
山や木や空を、すこし目を細めて見上げながら、
家へと続く帰り道を、一人で歩いたような気がします。
僕たちは、そこにあるモノを見ていると思っていたけど、本当は、モノでは
なくて、それを照らし、跳ね返る光の色を見ているのですね。
ふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。
