「ソングラインを旅する」 Powered By ETC [ 英会話プライベートレッスン ]

 

ブルース・チャトウィンふとしたきっかけで、ある人のことが心に残り、その人のことを深く知りたくなることがあります。

彼らがどう死んでいったのかというエピソードは、彼らがどう生きていたのかという興味に変わり、彼らが愛した場所を訪ね、彼らが旅をした風景を見て、彼らの息遣いに自分自身の呼吸を重ね合わせ、彼らの心を感じてみたくなるのです。この世に遺して行っていった彼らの想いがそうさせているのかもしれない、とさえ思うことがあります。

そして、僕は今ブルース・チャトウインという人に出会ってしまったのです。

僕は彼の遺作である『Songlines』を、原書(翻訳本は絶版)で読んでいくことにしました。 日本語訳をサポートしてくれるのは、ETCが紹介してくれたヘルナンデス先生。

他界する二年前に、ブルースが旅したオーストラリア。彼が『Songlines』に書き残してくれた足跡を、僕が辿って行く。 その過程をここに書き溜めて行きます。

 

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2006年09月30日

メタモルポーシス/変身物語

メタモルポーシス

ブルースのソングラインを巡る旅がいよいよ始まります。

目指すはオーストラリアの北部ミドル・ボア駅。アボリジニ・カイティジ続
の聖地。

茶色のトヨタランドクルーザーで来たアルカディは、モーテルでブルースを
ピックアップします。突然、デザートブックストアの前で車を止め、一冊の
本を片手に店から出てきます。

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 Penguin Classics edition of Ovid's Metamorphoses.
 'Present for you,'he said. 'Reading matter for the trip'

 ペンギン社古典シリーズ、オーヴィッドの『メタモルポーシス(変身物語)』
 「君にプレゼントだよ」と彼は言った。「この旅の参考資料になるよ」

                    『ソングライン』(75ページ)
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 古代ローマの詩人オーヴィッド(前43-後18)の作品。メタモルポーシスはギ
リシア語で「姿や外形の変化」「変容」「変形」。変身をモチーフにした物
語が250も含まれている。登場人物が動物や植物に変身してゆく物語。しかし、
それは外見の変化であり、その人間の本質のそのものの変化しておらず、や
がて「輪廻転生」の思想へと結び付けられてゆきます。


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 魂は、さまよい、こちらからあちらへ。あちあからこちらへと移動して、
気に入ったからだに住みつく。獣から人間のからだへ。われわれ人間から獣
へと移り、けっして滅びはしないのだ。柔らかなロウには新しい型を押すこ
とができ、したがって、それはもとのままではいられないし、いつも同じ形
をたもつことはできないが、しかし同じロウであることには変わりがない。
それと同じように、霊魂も、つねに同じものではありながら、いろんな姿の
なかへ移り住む━━━それがわたしの説くところだ。

                   『メタモルポーシス(変身物語)』
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『Songlines』を読み進めるほどに、アルカディがどうして旅の始めにこの本
をブルースに贈ったのか、その理由がわかっていくのでしょうね。

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SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。