« 2007年08月 | メイン | 2008年10月 »

2008年09月 アーカイブ

2008年09月17日

至福千年とアンリ・フォシヨン
(L'An MIll / Henri Focillon)

______________________________________________________________

Around the year 1000, I said, people all over Europe believed that a violent end of the world was imminent. How was 'the structure of ther consciousness' any different from our own?

僕はこう言った。「西暦千年になろうとしていたころ、ヨーロッパ中の人々は、世界は終末を迎えると信じ恐れていました。では、当時のかれらの意識構造と現代の我々のとでは、どのように違うのでしょうか。」

______________________________________________________________


西暦1000年、ヨーロッパの人々は何を恐れていたのだろ。


その僕の疑問に、チャトウィンは、下記の本を紹介する形で、答えてくれました。


■ L'An MIll / Henri Focillon (『至福千年』 アンリ・フォシヨン著)

4622015129.jpg


至福千年
西欧のあけぼの
L’AN MIL
著者 アンリ・フォシヨン
訳者 神沢栄三

______________________________________________________________

「至福千年」は、キリストが再臨して千年間の支配を執行し、そののち最後の審判をくだすという一種の終末説をその背景にもっている。そして本書があつかう西暦千年を中心とした時代こそまさに、至福千年説によって喚起された不安・恐怖がクライマックスに達した時代であったことを、フォシヨンはみごとな筆致で追求してゆく。また、オットーのゲルマン支配体制による世界帝国建設のこころみと挫折も、彼の眼差からそれることはない。西暦千年の歴史的情況を、壮大な全体図として生き生きと描き切り、そのなかから、ロマネスク芸術が生まれ、そのヨーロッパ中世が成熟してゆくありさまを、フォシヨンはすぐれた叙事詩のおもむきをもって再現する。
「西欧の芸術」、「形の生命」などによって著名な美学・美術史家であるアンリ・フォシヨンが同時に一流の歴史家でもあることを、この著者はみごとに証明している。


______________________________________________________________

「至福千年」の著訳者:アンリ・フォシヨン
Henri Focillon
1881年、ブルゴーニュ地方のディジョンに生れる。エコール・ノルマルで古典古代文学を学ぶ。1913年、リヨン大学近代美術史講座を担当、同時にリヨン市立美術館館長に就任。1925年、エミール・マールの後任として、パリ大学の古美術学及び中世芸術史講座主任教授となる。1933年、イエール大学に招聘。1938-39年、コレージュド・フランスで講義。第2次世界大戦の勃発とともにアメリカに移住。1939年よりイエール大学で美術と古美術学講座を担当。戦中は自由フランスのスポークスマンとして活躍したが、フランス解放を待たず、1943年、ニュー・ヘイヴンで没。邦訳されている著作としては、本書のほかに、『ロマネスク彫刻』(1931、中央公論社、1975)、『形の生命』(1934、岩波書店、1969)、『西欧の芸術』(1938、鹿島出版会、1970-72)がある。

______________________________________________________________

▽参考引用 みすず書房


2000年問題と不安を煽り立てたり、ミレニアムとお祭り騒ぎをしていた根底には、この至福千年の考え方があったんですね。8年たって初めて知ったのでした。


2008年09月18日

アーサー・ケストラーと「攻殻機動隊」

arthur-koestler-age-75.jpg
チャトウインがアーサー・ケストラー(Arthur Koestler)の講演会に参加し、その内容にえらく憤慨したと書いてあります。
______________________________________________________________

Man had somehow acquired the 'unique, murderous, delusional streak' that propelled him, inevitably, to murder, to torture and to war.
Our prehistoric ancestors, he said, did not suffer form the effects of overcrowding. They were not short of territory. They did not live in cities... yet they butchered one another just the same.

『The songlines』 p221

 とにかく、人間は、殺人、拷問、そして戦争に駆り立てられるのは避けられないことなのだと、後天的に思い込むようになった。
 彼(アーサー・ケストラー)はこう続けた。我々の先祖は人口過密の問題悩まされていたわけではなかった。領土が不足していたわけでもなかった。都会に住んでいたわけでもなかった。しかし、彼ら、その後の人間がするのと同じように、お互いに虐殺しあっていた。
______________________________________________________________


アーサー・ケストラー(Arthur Koestler/1905-1983)とは、ハンガリー出身の帰化イギリス人。ジャーナリスト、小説家、政治活動家、哲学者。

彼の有名な著書に、『GHOST IN THE MACHINE(機械の中の幽霊)』があるそうですが、この小説は日本のアニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』に影響を与えているそうです。なんとこの映画、今年の夏、押井守監督の新作映画『スカイ・クロラ』上映記念として、リニューアル版『攻殻機動隊2.0』が限定上映されていたんですね。

さらに、『攻殻機動隊』は映画『マトリックス』にも多大なる影響を与えていたそうです。

51Qepcf0gPL.jpg

ということで、この終末はDVD鑑賞、渋谷ツタヤへGO!

 

Links

SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。