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2006年09月 アーカイブ

2006年09月13日

国際電話の妙な間

exxon

突然次のプロジェクトが頭に浮かび即行動。

ヘルナンデス先生も興味をしてしてくれたので、アメリカのあるサイトにメー
ルを送信。ところが、2週間たっても返事なし。

 「電話をしてみたら?」(ヘルナンデス先生)

どきどきしながら久々の国際電話。


今日のレッスンでは、その経過報告。

 「電話での会話は大丈夫だった?」(ヘルナンデス先生)

相手の質問に対して僕が返答した後にできる妙な間。
相手の顔が見えないため、しばしば不安に。

僕がもっと何かを話すことが求められていて、それを待っているのか。それ
とも、僕が質問に的確に答えていないために、先方がちょっと戸惑っている
ために生じた間なのか、それとも単に国際通話の微妙なタイムラグで生じた
間なのかが不明。

 「その場合はこんなふうに言ったらいいわよ

  Did I make my point clear?

  Did I answer for your qusetion?

  Do you have any more questions? …」


なるほど、そうやって確認をしながら意思疎通をして、一歩ずつ進んでゆく
のですね。

そういえば、日本語でのコミュニケーションでも、僕はこういうコミュニケー
ションを怠りがちです。

 「僕の言っていることわかります?大丈夫ですか?」

 「これって、質問の答えになってます?」

 「他に質問ありませんか?」


現在、サンフランシスコから返事待ち。良い回答が来ますように。

2006年09月26日

パイン・ギャップ基地

パイン・ギャップ基地

ブルースがソングラインを巡る旅に出る朝になりました。

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Since the motel did not serve breakfast till eight, I went for a run
to the GAP.

 モーテルの朝食は、8時にならないと始まらないので、
 僕はギャップまで走ることにした。

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さて、この”ギャップ”が何を指しているか、ずっとひっかかっていました。米国
のカジュアルウェア店の"GAP"ではないことだけは確かですが。どうしても気
になったので、10数ページほど戻ってやっとわかりました。"Pine Gap"のこ
とでした。


■Pine Gap(パイン・ギャップ基地)

アリススプリングのそばにある衛星基地。
オーストラリアと米国により管理されている。世界最大の通信傍受ネットワー
ク「エシュロン」の基地のひとつであるとも言われている。その活動のほと
んどはなぞに包まれている一方、重要な軍事行動をつかさどる衛星基地とし
ての役割を果たしていると理解されている。(参考:Wikipedia

また、イラク戦争の際には、戦地の兵士に対して、ミサイル発射や爆弾投下
などの命令など情報がこの基地から転送することも可能。また、イラクおよ
びその近隣諸国からのスカッドミサイルの発射も探知することができるとの
こと。(参考:The Sydney Morning Herald.)


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フリンの声は、頭の直ぐ上を飛んでいったジェット機の騒音でかき消されて
しまった。

 「アメリカ人…」

マリアンは、苦々しい表情でそういった。

 「彼らは、夜にしか飛んでこないのね。」

アメリカ人は、マックドウネルズのパイン・ギャップに通信傍受基地を持っ
ている。アリス・スプリングに飛んでくる途中で、巨大な白い球体とその基
地郡を見る事ができるだろう。

パイン・ギャップは何のためにあるのか、一体そこで何が行われているの
か、オーストラリアでは誰一人、この国の首相でさえも知らないだろう。

 「ああ、いやだわ。不吉な予感がする。」マリアンは身体を振るわせた。

 「アメリカ人にこの国から、本当にに出て行って欲しいの。」

                        『Songlines』(61ページ)
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2006年09月27日

不思議な偶然/マラリンガの核実験

1927年9月27日マラリンガの核実験


鉄道建設のために切り取られた小さな丘。

アルカディは、かつてその土地に住んでいたアランダの一族とその地を訪れ
ます。

すると彼らは、嘆き悲しみ、その目は恐怖であふれます。

 「黒人は死ぬ。白人も死ぬ。みんな死ぬ。
  オーストラリアの終りだ、世界の終りだ。全てが終りだ」

アルカディは、その丘に伝わる歌、創世神話について訪ねます。

 「幼虫の威力だ」(長老)

その丘に伝わる歌は、創世の時代、ハエの育成の循環を制御するための儀式
を正しく行うことができなかったの先人の物語を伝えていました。際限なく
増殖したハエの幼虫は、やがてこの地を覆い尽くし、植物の生息を不可能に
してしまいました。

先人は幼虫を集め、尖った岩の下に詰め込みました。以来、幼虫は地下で生
息し続けているというのです。

 「もし、この丘を切り取ったら、巨大な爆発が起こるだろう。
  ハエの大群による巨大な雲が立ち上がり、地球全体を覆い、
  その毒により全ての人間と動物を殺すことになるだろう。」


この話しを聞いて、ブルースは1950年代にマラリンガで数回にわたって英国
が核実験を行ったことを思い出します。


実験の前、軍隊はアボリジニのために「立ち入り禁止」という英語の看板を
貼りだします。全ての人がそれを見ることはできなかったし、そもそも英語
を理解することができませんでした。核実験は遂行されました。

 「何人死んだんだ?」(ブルース)

 「誰も知らない。あの核実感が全てをだめにした。」(アルカディ)


アボリジニが多数被爆し、また英政府は彼らの兵士を放射線防護服の性能を
調べる目的で、被ばくした実験施設を歩かせていた等の事実もあったそうで
す。


ここまで書いて、不思議な偶然に気づき驚いています。

50年前の今日(9月27日)、マラリンガに12.9トンのプルトニウム爆弾が爆破
最初の核実験が実施されていたのでした。

British Nuclear Testing

Maralinga - NEVER AGAIN

2006年09月28日

アメリも愛用

アメリ

チャットウィンが愛用したというモレスキンの手帳。

同社の宣伝文句によれば、チャットウインはオーストラリアの旅の前に、当
時すでに製造中止だった同手帳を100冊も買い集めたとのこと。

彼がこの100冊全てを旅に持参したかは不明だけれど…

だって、一冊200グラムとすると100冊で約20キロ。
旅の荷物にしては、手帳だけでこの重さは多すぎないか?

でもかなりの量を持参したことは確かなようです。旅立ちの朝、手帳を荷造
りしている時の記述です。

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I showered and packed my bag. I packed a pile of my old black
notebooks. They were the notebooks for the 'nomad' book, which I had
kept when I burned the manuscript. Some I hadn't looked at for at
least ten years. They contained a mishmash of nearly indecipherable
jottings, 'thoughts', quotations, brief encounters, travel notes,
notes for stories ... I had brought them to Australia because I
planned to hole up somewhere in the desert, away from libraries and
other men's work, and take a fresh look at what they contained.


僕はシャワーを浴びた後、荷造りをした。古い手帳の束をつめた。それはノ
マドの本に関する手帳だった。原稿を燃やしてしまったが、手帳は残ってい
た。手帳の中には少なくとも10年は開いていないものもある。ほとんど判読
不可能なメモ書き、引用、ちょっとした思い付き、旅行記、小説の走り書き
等がごちゃまぜになっていた。

ぼくはこれらをオーストラリアにもってきた。書籍や日々の仕事から逃れ、
砂漠のどこかに身を隠し、手帳の中身を新鮮な気持ちで覗いてみたいと思っ
ていたからだ。

                『Songlines』(75ページ)
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"アメリ"も映画の中で使ってたんですねえ。

2006年09月29日

drainedの意味は

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同じページに出てきた同じ単語。でも意味は別。

 She "drained" the mug.

 彼女はマグカップの中身を"飲み干した"。

 Why were they so strong and satisfied, and so many of the men so "drained"?

 彼女たち(オーストラリアの女性たち)はどうしてあんなに力強く、そして
 満ち足りているのだろう。その一方で男たちの多くはなぜあんなにも"疲
 れきっている"んだろう。

もちろん、身体の力が空っぽになる=(イコール)疲労困憊する、と連想はでき
るのですが…


しばしば、言葉が合わせ持つたくさんの意味合いに、気が遠くなることがあ
ります。英語、日本語に限ったことではないけれど。

たとえば、コンピューター言語の一つの単語が持つ役割は一つ。複数の仕事
をあれも、これもと受け持ちはしないはず。

それに比べて、言葉が持つ力は、見た目以上に大きくて、言葉が抱きかかえ
てきた記憶は、際限もなくどこまでも広がっていて、その役割を、一つに限
定するには、時として大きな勇気と決心が必要となり。

また、時には、気が付くことなく、縄文時代のご先祖さまと同じ意味で使っ
ていたり、はるか遠くのハワイ語と同じ音を発していたり。

時間を越えて、空間を越えて、どこかで途切れることも無く、どこまでも繋
がって、いつまでも記憶を格納し続けている。

言葉は、容量無限大の超小型の記憶媒体なんでしょうね。

2006年09月30日

メタモルポーシス/変身物語

メタモルポーシス

ブルースのソングラインを巡る旅がいよいよ始まります。

目指すはオーストラリアの北部ミドル・ボア駅。アボリジニ・カイティジ続
の聖地。

茶色のトヨタランドクルーザーで来たアルカディは、モーテルでブルースを
ピックアップします。突然、デザートブックストアの前で車を止め、一冊の
本を片手に店から出てきます。

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 Penguin Classics edition of Ovid's Metamorphoses.
 'Present for you,'he said. 'Reading matter for the trip'

 ペンギン社古典シリーズ、オーヴィッドの『メタモルポーシス(変身物語)』
 「君にプレゼントだよ」と彼は言った。「この旅の参考資料になるよ」

                    『ソングライン』(75ページ)
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 古代ローマの詩人オーヴィッド(前43-後18)の作品。メタモルポーシスはギ
リシア語で「姿や外形の変化」「変容」「変形」。変身をモチーフにした物
語が250も含まれている。登場人物が動物や植物に変身してゆく物語。しかし、
それは外見の変化であり、その人間の本質のそのものの変化しておらず、や
がて「輪廻転生」の思想へと結び付けられてゆきます。


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 魂は、さまよい、こちらからあちらへ。あちあからこちらへと移動して、
気に入ったからだに住みつく。獣から人間のからだへ。われわれ人間から獣
へと移り、けっして滅びはしないのだ。柔らかなロウには新しい型を押すこ
とができ、したがって、それはもとのままではいられないし、いつも同じ形
をたもつことはできないが、しかし同じロウであることには変わりがない。
それと同じように、霊魂も、つねに同じものではありながら、いろんな姿の
なかへ移り住む━━━それがわたしの説くところだ。

                   『メタモルポーシス(変身物語)』
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『Songlines』を読み進めるほどに、アルカディがどうして旅の始めにこの本
をブルースに贈ったのか、その理由がわかっていくのでしょうね。

Links

SONGLINES』はETCからご紹介いただいたHernandez先生(渋谷区外苑前)と一緒に読み進めています。