メタモルポーシス/変身物語
ブルースのソングラインを巡る旅がいよいよ始まります。
目指すはオーストラリアの北部ミドル・ボア駅。アボリジニ・カイティジ続
の聖地。
茶色のトヨタランドクルーザーで来たアルカディは、モーテルでブルースを
ピックアップします。突然、デザートブックストアの前で車を止め、一冊の
本を片手に店から出てきます。
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Penguin Classics edition of Ovid's Metamorphoses.
'Present for you,'he said. 'Reading matter for the trip'
ペンギン社古典シリーズ、オーヴィッドの『メタモルポーシス(変身物語)』
「君にプレゼントだよ」と彼は言った。「この旅の参考資料になるよ」
『ソングライン』(75ページ)
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古代ローマの詩人オーヴィッド(前43-後18)の作品。メタモルポーシスはギ
リシア語で「姿や外形の変化」「変容」「変形」。変身をモチーフにした物
語が250も含まれている。登場人物が動物や植物に変身してゆく物語。しかし、
それは外見の変化であり、その人間の本質のそのものの変化しておらず、や
がて「輪廻転生」の思想へと結び付けられてゆきます。
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魂は、さまよい、こちらからあちらへ。あちあからこちらへと移動して、
気に入ったからだに住みつく。獣から人間のからだへ。われわれ人間から獣
へと移り、けっして滅びはしないのだ。柔らかなロウには新しい型を押すこ
とができ、したがって、それはもとのままではいられないし、いつも同じ形
をたもつことはできないが、しかし同じロウであることには変わりがない。
それと同じように、霊魂も、つねに同じものではありながら、いろんな姿の
なかへ移り住む━━━それがわたしの説くところだ。
『メタモルポーシス(変身物語)』
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『Songlines』を読み進めるほどに、アルカディがどうして旅の始めにこの本
をブルースに贈ったのか、その理由がわかっていくのでしょうね。
